CRAFT MAN
家づくりに携わる人たち
2023/07/17
職人インタビュー第四弾
皆さんこんにちは、7月に入り沖縄もいよいよ夏本番という感じでしょうか。
暑さにやられ絶賛夏バテ中の崎浜です。普段デスクワークで事務所から出る機会が少ないので外の暑さには
耐性がありません(^^;
職人の皆さんも炎天下での作業はくれぐれも熱中症にお気を付けください。
さて、今回の職人インタビューは、前回紹介したまるせい工業 伊集さんのご協力の下、
鉄筋加工工場の様子を取材する事が出来ました。
今回ご協力いただいたのは沖阪産業㈱西崎工場、案内役の谷山力斗さんです。
鉄筋加工の流れや工場内で気を付けている事等についてお話を伺いました。
また、今回は鉄筋加工の様子もお届けいたしますので是非ご覧ください。
・職人歴
3年くらいになります。
その前は、ニッシンの金物屋の方で働いていました。
普段は運転手として鉄筋の搬入などの業務をしていますが
今日は、工場見学ということで、鉄筋加工の作業の様子を案内していこうと思います。
今日案内予定だったスタッフが体調を崩したためピンチヒッターとして指名されたんですが
こういう取材の機会はめったにないので緊張しています。
・作業をするうえで気を付けている事は何ですか?
搬入の際に荷崩れしないように細心の注意を払っています。
1回の搬入で大体7トンくらいの鉄筋を運ぶので荷崩れすると大事故に繋がってしまいます。
あとは、鉄筋の保管や加工機材の管理です。
鉄なので雨ざらしだと錆び付いてしまいます。現場に搬入する鉄筋が錆び付いているのを施主が見るとやっぱりちょっと良い印象はないと思うので、工場から現場までの鉄筋の品質管理には気を使っています。
・愛用している道具を教えてください。
愛用というか積み込みの際に使うホイストクレーンや、トラックについているユニックは欠かせません。
気を付けている事と同じ答えにはなるんですが、やっぱり積み込みや荷降ろしの際にも周りに最新の注意を配ります。
クレーンで吊って移動させるので、機械を止めても吊られている鉄筋は振り子の原理で動いてしまいますし、鉄筋の切断面はとても鋭くなっているので、クレーンの可動域周辺に人がいる場合等は声掛け注意を促しながら安全第一で作業を進めていきます。
・鉄筋屋のやりがいは何ですか?
私は鉄筋を組んだりはしないんですが、まるせい工業さんや他の鉄筋屋の職人さんが鉄筋を組んでいくのを見る機会は沢山あります。
何もなかった更地に、鉄筋で建物の躯体の輪郭が出来ていくのを見るのはとても楽しいし、凄いなと思います。
鉄筋は建物を支える大事な骨組みの部分ですが、鉄筋屋さんが炎天下の中で緻密に組み上げた鉄筋も、コンクリートを流し込めば見えなくなってしまいます。見えなくはなるんですが、家づくりで一番大切な強度を担保する部分に携われる事が何よりのやりがいです。
工場で鉄筋の加工の様子、現場では職人さんが鉄筋組みをしているのを見ると、やっぱり建物は人の手で造られているんだなと感じます。
・沖阪産業での鉄筋加工の様子について教えてください
鉄筋加工工場といっても私達が直接加工するわけではなく、まるせい工業さんや他の鉄筋屋さんが、工場の機材やスペースを使う日程管理、あとホイストクレーン等で鉄筋を移動させる際にお手伝いをする感じです。各業者がスムーズに作業を進められるよう鉄筋の管理は勿論、機械の整備等も欠かせません。
鉄筋を切ったり曲げたりという実際の作業は各鉄筋屋さんが行いますが、込み合う時は結構工場内が慌ただしくなるので、とにかく安全第一を心がけています。
というわけで、ココからはまるせい工業の伊集さんの鉄筋加工作業を様子をご覧ください。
まずは鉄筋を切断する機械の所までホイストクレーンで鉄筋を移動させます。
長さを設定して切断。私はてっきりチップソー等で火花バチバチな感じで切断すると思っていましたがプレス式の切断でした。
台に固定した鉄筋にパンチが下りてきて切断する感じ(伝わりますかね・・・)
鉄筋切断の後は、各部位に合わせて鉄筋を曲げる作業に移ります。
曲げる角度や、曲げる方向等は予め決められていてそれに合わせて曲げの作業を行います。
タグには鉄筋の加工と寸法が記載されていて一目で鉄筋の加工の種類が分かるようになっています。
さて、曲げの作業をする機械はもう一種類あって、こちらは一気に最大5カ所の曲げ作業が出来るものになります。
曲げる箇所や間隔はハンドルで調整し、曲げの角度はタッチパネルで操作します。
鉄筋屋さんによっては、ポータブル式の加工用機械を現場に持ち込み、直接現場で加工を行う所もあるそうです。ただ、お値段が30万程と高価で2年くらいで修理が必要な不具合等が発生するため沖阪産業さん等、設備の整った加工工場の存在は鉄筋屋さんにとって、とてもありがたい欠かせない場所となります。
【工場見学を終えて】
今回は鉄筋加工工場、沖阪産業㈱西崎工場の谷山さんと鉄筋加工の工程を紹介していきました。
1軒の平家を建てるために必要な鉄筋の加工の種類は180通りほど、吹き抜けや複雑な造りの現場になると240通りを超える鉄筋加工が必要となります。
こうやって、工場スタッフや職人さんの手で加工された鉄筋が現場で人の手によって組み上げられるのを見ると、家は手づくりというのが実感として湧きますね。
作業をしながら「この機械で指切断する職人さん結構いるよ~」「指一本切る人は2本3本と続く事もよくあるね」と割と軽めの口調で教えていただきましたが、鉄筋を扱う以上、鉄筋加工中や移動中の不注意は即大事故につながるからこそ、谷山さんの【安全第一】という言葉にもとても重みを感じました。
今回、工場見学にご協力頂きました沖阪産業(株)の谷山さん、また沖阪産業との橋渡しをしていただいたまるせい工業の伊集さん、お忙しい中取材にご協力頂き誠に有難うございました。
さて、次回はどんな職人さんが登場するでしょうか。お楽しみに!!
以上、
広報担当の崎浜がお届けいたしました。